• オイルシール 取付部の設計

  • 1.軸の設計と形状及び寸法

  • a)軸の許容差

  • JIS B 0401-2のh11以内とする。

  • b)軸の表面粗さ

  • 0.1~0.32µmRa及び0.8~2.5µmRzとする。

  • c)軸の表面状態と仕上げ

  • キズ及び機械加工によって生じたリード目が有ってはならない。
    仕上げは送りをかけないプランジ研削が望ましい。

  • d)軸の硬度

  • HRC30以上を推奨する(シール体がPTFEの場合はHRC50以上)

  • e)軸の面取り

  • 軸端には、表1 に示す値以上の面取りを行い、かえり、鋭い角、機械加工による粗い筋目などが無いのが望ましい。

  • 軸端の面取り

  • 表1

  • 単位 mm

  • 軸径の呼び寸法 d1d2(最大)軸径の呼び寸法 d1d2(最大)
    d1≦10d1-1.550<d1≦70d1-4.0
    10<d1≦20d1-2.070<d1≦95d1-4.5
    20<d1≦30d1-2.595<d1≦130d1-5.5
    30<d1≦40d1-3.0130<d1≦240d1-7.0
    40<d1≦50d1-3.5240<d1≦480d1-11.0
  • 2.ハウジングの設計形状及び寸法

  • a)ハウジングは、材料が鉄鋼材料で機械加工の場合には、次のようにする。
      ただし、ハウジングが非鉄金属又は非金属の場合、及びプレス成形の場合には、受渡当事者間の協定による。

  • b)ハウジングの寸法は、表2による。
      なお、穴入り口は角の面を取り、面取り部にはかえりがあってはならない。

  • ハウジングの寸法

  • 表2

  • 単位 mm

  • オイルシールの呼び幅 b最小ハウジング穴深さハウジング面取り長さ最大ハウジング穴隅の丸み
    b≦10b + 1.20.70~1.000.50
    b>10b + 1.51.00~1.300.75
  • c)ハウジングの寸法許容差

  • JIS B 0401-2H8とする。

  • d)ハウジング穴の表面粗さ

  • JIS B 0633によって評価し、1.6~3.2µmRa、6.3~12.5µmRzとする。
    なお、外周金属オイルシールを使用する場合には、気密性をよくするために表面粗さを0.4µmRa及び3.2µmRz程度まで小さくするのが望ましい。

  • オイルシールの寸法とその許容量

  • 外周ゴムの外径の許容差

    外 径 D mm許容差mm
    30以下+0.30
    +0.10
    30をこえ120以下+0.35
    +0.10
    120をこえ180以下+0.40
    +0.15
    180をこえ300以下+0.45
    +0.15
    300をこえ530以下+0.50
    +0.55
  • 外周金属の外径の許容差

    外 径 D mm許容差mm
    30以下+0.09
    +0.04
    30をこえ50以下+0.11
    +0.05
    50をこえ80以下+0.14
    +0.06
    80をこえ120以下+0.17
    +0.08
    120をこえ180以下+0.21
    +0.10
    180をこえ300以下+0.25
    +0.12
    300をこえ530以下+0.30
    +0.14
  • シール幅の許容差

    幅 mm 許容差mm
    10以下±0.3
    10をこえ14以下±0.4
    14をこえ18以下±0.5
    18をこえ25以下±0.6
  • *ニトリルゴム以外のゴムを用いた外周ゴムオイルシールについては、
    受渡当事者間の協定による別の許容差が必要な場合がある。